焦げた後に湿った生活

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闘病記10

食欲はなおったようでまったくなおっちゃいなかった。

 

通常量を食べると、数時間後には食道が瑪瑙になって食べたものがこみあげてくる。

私は明日から食べたいと感じた量の半分しかよそわないことと、どれだけ食べたくなっても生の魚や肉と甘いものを摂らないことを誓った。

去年の夏頃も、タコが大好物だったのでよく買って食べていたのだが(最近だと明石産より余程外国産のが美味しい)、あることで神経をいわしてくると、ぶつぎりを口にしてるうちは美味しくても毎食後胃が痛むハメになった。

瑪瑙になった身体にはナマモノが厳禁なのだ。

 

風呂にいれた茉莉花のオイルはいつもなら怠惰と贅沢の間に堕としてくれるけれど今日は吐き気が増すばかり。

 

吐くか吐かないか迷っていた時、風呂の天井から珊瑚のような色で繻子のようになめらかな小さな蜘蛛がおりてきた。美しい菱形の躯で、音もなくだしてきた長い一本の糸はたおやかだ。

 

(今私からひねりだせるものは瑪瑙色のゲロだけなんだわ)

 

とてもお金が有り余っていたら前の夢に出てきた近畿の山道に瑪瑙のみで出来た石櫃を作ってそこで眠ろう、友達が酒と花を手向けに遊びに来た時用に、いっこだけ翡翠で目印置いといて。

 

それはかなり楽しい思いつきで、行き帰りにいろいろな変なことが起こって後々皆の酒の肴になったらより良い。