最初に、この情報を頭に叩き込んでほしい。
上に貼り付けた曲"Number One Enemy"が収録されたEP、"revenge of the killer slits"が発表されたのは2006年、アリ・アップ44才の時である。
(EP発表の数年後にアリ・アップが死去し、義父のジョン・ライドンが声明を発表してたの思い出して泣ける。おとんより先に逝くなって…)
以上をふまえて、歌詞を読んでいただきたい。
◆
You sit up there deciding my future
What the fuck do you think you are
わたしがなんかしようとしたら邪魔するんやな
ほんまアンタらの考えるこというたらろくでもないわ
Changing buses and raising taxes *1
Changing things as you please
なんやらかんやら手ェ入れて税金あげて
好きなようにしたいってか
You want me to take part of it
Like all the people
And you want to swallow me
But you might get indigestion 'cause
わたしを他のみんなと同じようにしようっていうんやな
ほんで懐柔するつもり?
でも多分、思い通りならんど
だって
I'm going to be your Number one enemy
All for the hell of it
わたしはこの地獄におけるナンバー・ワン・エネミーやから
Give me ten and I'll take hundreds
Give me hundreds, I'll need thousands
10くれてやるいうんやったら100獲ったるわ
100くれてやるいうてもな、こっちは1000要るいうとんよ
Never mind what you think
Never mind what people say
アンタらの思ってることなんか知らんわ
何言われても知ったこっちゃないわ
Don't try to be nice to me
'Cause I'm your enemy
Don't be inflexible *2
別に仲良くしてくれんでもええよ? わたしアンタらの「敵」やし~
おかたくせんでもろて
I'm going to be your Number one enemy
All for the hell of it
わたしはこの地獄におけるナンバー・ワン・エネミー
If you like white, I'll be black
If you like black, I'll be yellow
アンタらが白っていうならわたしは黒
黒っていうなら、黄色やで
If you like rational, I'll be impossible
アンタらが「合理」をいうかぎり わたしは不可能そのもの
If you like reasonable I'll be insane
アンタさんの基準でいえば こっちは狂ってますけどなにか?
If you like peace and flowers
I'm going to carry knives and chains
もしアンタらが「平和的手法」を好むんやったらな、こっちはナイフとチェーン振り回したるでえ
I'm going to be your Number one enemy
All for the hell of it
なんせわたしはナンバー・ワン・エネミーやからな
You sit up there deciding my future
What the fuck do you think you are
わたしがなんかしようとしたら邪魔するんやな
ほんまアンタらの考えるこというたらろくでもないわ
Changing buses and raising taxes
Changing things as you please
なんやらかんやら手ェ入れて税金あげて
好きなようにしたいってか
You want me to take part of it
Like all the people
And you want to swallow me
But you might get indigestion 'cause
わたしを他のみんなと同じようにしようっていうんやな
ほんで懐柔するつもり?
でも多分、思い通りならんど
だって
I'm going to be your Number one enemy
All for the hell of it
わたしはこの地獄におけるナンバー・ワン・エネミーやからね!
*1 busesって元はbus? busy?
【追記】busらしい。でも意訳でなんやかんや手を入れて…でいいよね?
*2 Don't be inflexible のより適切な訳があったら教えてください
◆
…どうでしょうか?
25年ぶりにthe slitsを再結成して出した曲が「ほんまお前らしょうもないわ、ぶっ殺すぞ」みたいな内容なのめちゃくちゃ最高じゃないですか?
もうね、アホほど経験あるんですけど、反差別を口にしていたら「そんな方法では」とか「そういう言い方は」とか、くっそくだらんことで口ふさぎに来るやつ枚挙にいとまがないんですよね。
それ私に「アドバイス」してる暇があったら、ヘイターに注意しにいったり止めたりしろよっていうね。(やつらは絶対にそういうふうにしない)
今になってトーンポリシングいうのがようやく可視化され、問題視されてますけど。
ゼロ年代に「あんたらが平和的にいうてもなー、こっちはナイフ、ほかすつもりないでー!」という歌詞ぶちこんでるthe slitsって、やっぱ最高!
そもそもEPタイトルが「殺人マンコの復讐」。
(slitsとはワレメのことである)
こういうの10代20代がいうてるんやったらフツーでしょ。44才でこのつよつよっぷり! 大好き。
ストレートなパンクだけどよく聴けばテクいところがあるのも良い。
この曲のキモは、パンクロックの紹介でありがちな「初期衝動」ではありません。
なぜなら、初期より確実に闘志マシマシだからです。
なお、和訳で「」つきにしているものは、書いた通りカッコ付きのそれでしかない、という意味です。
the slitsないしアリ・アップは、ニューウェーブからレゲエ・ダブに徐々に移行してくのですが…
あえて言うならば レゲエやってる場合じゃなかった。
大地の声が云々言ってる場合じゃなかった。そんなの、スピったやつらに任せとけばいい。
このクソみたいな俗世で、「アンタらがそういうことするんやったらわたしはナンバー・ワン・エネミーや」って、マトモな大人が言いつづけなきゃいけないんじゃない?