焦げた後に湿った生活

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闘病記62

ひとがなくなると、その人に向けていた気持ちをどこに向けていいかわからなくなってそれこそ亡霊みたいになる。

行き場を失った空虚なのに質量があるので変な感じだ。

 

nullだ。

 

【ここんとこの体調】

質感変わった、って評したひとに具体的にどういうことなのって聞いたら「そんなこと言われても、感覚だよ、見た感じなにかが変わったんだからそうとしか言いようがないだろ」ということだった。

 

私は日本初の質感変化大統領になった。

 

ベルベットとか、パイルとかに変わってくれてたらいいんだけど。

 

せっせと料理していたけど何を食べたらいいかわからなくなって専らミニきゅうりの漬物と米ばかり食っている。

 

【花の話】

花底蛇という言葉があるとおり花には底しれない魔の要素もある。

その魔をつかってペンギンの置物にさして作品にしている。

 

見た中でコメントをくれた人たちが(偶然全員女性だった)「狂気」だと言っていてわかってもらえる人にはわかってもらえるのだな〜と思った。

 

頭お花畑、なんて表現があるくらいなのだからお花ってカワイイだけの代物じゃないのだ。

 

(At first)he is innocentというフレーズからそれは生まれた。At firstというからには最終的にはそうじゃなくなる。

 

今年も桃の季節がやってきたから幽霊屋敷で教えてもらった、桃の花を使った魔除けを作る。

https://jahlwl.hatenablog.com/entry/2018/04/22/163204

 

【寝具】

日曜日、久しぶりに同僚の子と会って(その人は育休中なのだ)、祖母の話になった。

姑との同居の話題からその話になったのだけど、私の祖母は子どもが五人もいて誰なと一緒に住めただろうに一人棲みをしていた。

 

皆々自分が小さかった頃の環境を物の見方の尺度にしていて、おばあちゃんが家にいた人つまり嫁姑同居の家庭だった人は自分の母を自分の「結婚した家庭」にいれるのが当たり前だと思ってるフシがある。

(嫁姑同居の状況にあたって個人の性格によらず同居するのがストレスだというのがわからない夫は一定数いる)

 

で、祖母はなんで一人で生活しているのか聞いたことはなかったのだけれども、思うに家にどでかいミシンがあったのが要因の一つなのではないか。

「おばあちゃんは繊維業、ニットとか毛布とか作るのを仕事にしてて、死ぬまでやってはったから…家にとてつもなく大きいミシンあったんよね。アレがあるから普通の家では住めんかったんちゃうかな、と思う」

「ほえー生涯現役、ってやつですか?」

「そうなるね。仕事辞める気ィは見えへんかったな」

 

仕事人、という美談にされがちなんだけど祖母が死ぬまで働かざるを得なかったのは在日コリアンでまともな職につけず貧乏暮らしで年金をもらえなかったからだ。

生活保護は嫌だと言ってゴリゴリに働いてた。

身体が丈夫なわけでもないのに。

 

それはそれとして仕事は嫌いではなかったのではないかと勝手に思っている。

祖母は私が中学に上がる直前に亡くなったので「子どもと一緒に住みたいか」とは聞けなかったけど、あのミシンと祖母とを切り離して想像するのはちょっと難しい。

 

 

タオルやら毛布やらの名産地…祖母の家から基本的に寝具をもらっていたので、私は貧乏な家育ちだったのに寝具にうるさい。

というかせんべい布団というのを人の部屋ではじめて見た。

 

よォこんな薄い、床に直のような布団で眠れるもんや…と考えたときはじめて「私は良い寝具にしか触れてこなかったからそれが基準になっている」と気づいた。

浅い敷き布団で寝ると寝返りをうつ際ひじなどが床に当たっているようで痛くて眠れない。

 

今の持ち物は、敷きかけまくら共にシーツは年間通してパイル地、最低でも無印良品以上のクオリティのもの、毛布は泉大津産、夏用にコットンとパイルで織られた掛け物。

洗濯糊の効いたような綿シーツはザラザラと音がして嫌だ。

良いのがあれば麻でもいいけれど触って気持ちいいと思えるものはそうそうない。

流行りの、あたたかくて洗ってもすぐ乾く化繊の生地は好きではない。

 

あと不思議なのはそばがらまくらで眠れる人がいること…

あんなに音がするのに眠れるのは不思議だ。

 

良い毛布に包まれるとトロリとした心地になる。

何年使ってもパサパサにならないし。

 

あまり寒くならない時期は、5000円で買った上等の紺のローブだけ着て毛布に包まれて眠る。

 

さよならを教えて

いい加減自分だけが見送る役目なのに疲れた。