焦げた後に湿った生活

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黙って死んでくれ(Do not behave as human)

「というわけであの日から私は霊力を全て失い物は次々壊れて最悪の日々」

 

「さっきもコーヒーを溢して…」

 

「今日2回目よ!」

 

アイスミルクコーヒーを溢したのは不注意によるものだと思うが。

茶色のシミが飛び散った麻の布を、後で洗濯機に放り込もうと決意して煙草を吸った。

 

私の部屋はバルコニーにすぐ出られる位置にある。

今の家はバルコニーと庭が一目で気に入って住むことにした。

そのバルコニーに喫煙スポットを作って、お気に入りの灰皿を置いている。

 

喋ってる相手は新しく入居してきた女の子で、日本語は少し話せて英語はペラペラだ。

 

「ああ、霊力は根こそぎ取られるし電化製品は次々壊れるし…リアルマニーがかかるのが地味に腹立つわァ。買ったばかりのも! 合計で二万円は軽く失ったと思う。コーヒーは…床のワイプをするきっかけになった、と考えることにしよう」

 

「ヨーカイを見たの?」

 

「こないだの金曜ね。妖怪じゃないと思う。オバケ…ghostと妖怪の違いはわかる? 妖怪は場所につく。私が見たのは人についてるやつよ。知ってる人についてたのをはじめて見たの…そういえば、妖怪って単語がすぐに出て来たってことは、アンタの国にも妖怪がいるってこと? どんなん?」

 

二つの違いを私に教えてくれたのはまさに憑かれていたその人なのだが。

そのモノを見てから持ち物と生活はことごとく壊れていって霊力を失った私の見る夢は修験場でなくなりただの悪夢になった。今朝も舌を縛られたが経験則で知ってる、英語でなら助けをなんとか呼べる。

 

女の子は、自分の国に現れる怪異のことを話してくれた。

 

モルディブの妖怪】

女である。

大方、海にいる。

海に現れるのは海で死んだからだ。

男の妖怪もいるっちゃいるらしいが女が圧倒的に多いらしい。

 

山にも現れる。

 

「海とか山とか、自然の場所ばかりに現れるの? 」

「そう」

「遭ってしまったらどうするの?」

「D A S H. 逃げる!」

 

素晴らしい回答だ。一体何人が恐怖に折れずに走り出せるだろう。

 

モルディブの霊的対処法】

「今聞いた話だと、山とかに行かなきゃ妖怪とは遭わんわけやん。自分の身の回りでホラーな事は起こらん?」

「信じないから、今の人は。国の歴史も長くないから、妖怪とか、言い伝えみたいなものがあまりない」

「ハハァ合理的やなぁ。その点東アジアはけったくそ悪い言い伝えが沢山あるよ」

「歴史が長いから」

「ウチのイエは、代々シャーマンの家系やったからアクセサリーを身につけろとか、鏡や刃物がmagical itemとして、something evilから身を守るモンやと教えられてた」

「その指輪すごく綺麗」

「せやろ、ありがとう、エメラルドよ。でもこれもうすぐ人にあげんねん。モルディブではこういった、身を守る方法はないの? あったら教えてよ、今私は何もない状態で危険だから…」

 

「あるよ、でもおじいちゃんおばあちゃんがやるけど」

「お年寄りしかやらんのね、おじいちゃんおばあちゃんたちは何すんの」

「P R A Y. 祈る」

 

両手を擦り合わせる動作をしながらその娘はそう言った。

 

私はLady Prayer1。

「それしかやる事なさそうだから勿論実践してみる」

「あとはincenseもね。あげたのまだ持ってる?」

(この間、彼女はお気に入りのお香と香水を私にわけてくれた)

「金曜に悪いモン見てから早速焚いたよ」

「なくなったらまた言ってね、あげるから」

 

【探偵】

私はLady Prayer1、香をしきつめ塩を盛ってまた持ち歩き、神に祈る。

モルディブヒンドゥーイスラムもいる。どっちの教徒も神に祈る。

私は韓国式の巫術が日本にいるうちなんやなんや混じった在日コリアン式の霊的対処とモルディブ式とを用いて身を守ろう。

 

何もしたくなくてもsomething evilは現れる、こんなグータラの前に、そしてこんなグータラでも自分のモノがボコボコにされたらそれなりに腹は立つ。

根こそぎとられたとわかった時、果たして霊感がある人生とない人生どっちがいいのか? と一瞬思考したが、今まで仕えてくれたモノがボコられてることに対して味わったことのない新鮮な感情を覚えたから取り戻す方向を選択した。

 

母に「覚えている限り巫術のプロであった曽祖母のことを記述してくれ」と頼み、ツテを頼って自分を直してくれそうな人を探した。

会ってくれるかどうかはわからないがその道のプロはいるのだ。

 

ここからは調べたことのメモ。いくら調べても、失われたものを取り戻す方法はなさそうだが。どうやって霊媒師になったかの研究が多い。そりゃ研究者だって霊感なくした後の人生なんて特に興味ないだろうから仕方ないが。

 

https://web.flet.keio.ac.jp/~shnomura/mura/contents/album_5.htm

 

https://t.co/oEGi6iDgOp

 

https://okiu1972.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=743&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1

 

http://www.pakusensei.com/img/column/column4.pdf

 

http://hmpiano.net/koharu/friend/michiko/year2004/autumn/part2/newpage1.htm

 

https://core.ac.uk/download/pdf/56629653.pdf

 

https://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/6/6437/4781_1_%E8%97%A4%E3%83%8E%E6%9C%A8%E5%8F%A4%E5%A2%B3%E3%81%A8%E5%8F%A4%E4%BB%A3%E3%81%AE%E6%B2%B3%E5%86%85.pdf

 

https://t.co/ZYVXJfn9LM

 

http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/18598/KJ00005114047.pdf

 

こちとら死にとうても死ねんのに生きてへん奴らがあじあじゃうっさいわ、黙って死んでくれ。