焦げた後に湿った生活

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闘病記65

12時間寝た。

カロリーが足りなくなって目覚めたが足りないのでなかなか起き上がれなかった。

そうならないように眠りにつく前パンを食べたのに全部消費してしまったようだ。

 

Twitter婚活勢の人が「夜型は損してる、朝型の人が夜起きていられないのは許されるのに夜型の人が朝起きられないのは社会に許されていない」と言っていてそうだねと思った。

 

薬膳カレーを作って、一日目は鶏ひき肉、二日目は具を変えてフィッシュカレーにした。

ローズマリーのたくさん入ったそれは鮮烈な風味になったがフィッシュカレーは難しい。缶詰のサバを使っても魚くささは少し残る。フィッシュカレーを上手く作るインド人はすごい。

 

◆薬膳カレー

面倒なのでルーは使う。いつも使っているのがスーパーからなくなっていたのでこちらを試したが良かった。

https://www.sbfoods.co.jp/honbiki/

 

セロリ、まいたけ、玉ねぎを切って、オリーブオイルと塩コショウ・おろしにんにく/しょうが・クミン・ローズマリーと炒める。

具材はその時身体が欲しているもので。

野菜がしんなりしたら鶏ひき肉をいれてさらにクミンとローズマリーを加えて炒める。

 

肉に火が通ったら、コンロをとめて水をいれルーを溶かす。

そのあと煮詰めて出来上がり。

 

米はカレー用に少しかためにたき、春キャベツの漬物をつけあわせにするともう最高…

 

 

【迷宮の夢】

12時間寝てる間にmazeのようなところへ行った。

mazeでは魂がこれからどこに行くかを定めていてある一定の時間が経つまでじっと待っていた。

待つのはちっとも苦痛ではなかった。

 

そして当たり前みたいに私は死者の場所へ飛ばされた。

間借りする死者の夢…何時間でもここにいる。

私は白っぽい布のワンピースを着ていた。ここの草花が枯れきっていなかったら場所に似合う格好だったろう。

枯れた茶色の地べたに寝転んだ。いつまでも寝ている。寝続けて、動きたくない。死者の心象風景にどっぷり浸かることそれ以外何もしたくなかった。

しかし私は最後の手紙を書かなければ…死者に対して心に澱みを残さないように、かえってこないこと前提の文を綴らなければいけない。

休み休み、ペンをすべらせて、書き上げたところで適切な区切りを入れてLINEで送った。送るとまた気力体力を使い果たして倒れるように横になった。

 

【うつつぐらし】

そのうちにLINEがきた。ということは目覚めたのだ。

「あぁ何、死んだと思ってたの?! LINEみてびっくりしたわ。生きてるよ、連絡返してなくてごめんな…」

 

私はニッコリした。

相手は、死んでいると勘違いされ悲しい別れのLINEを受け取ったので大慌てで釈明しに来た。

仕事から抜け出しきたのであろうスーツ姿で誤解をとこうと現れた人間に、ニコニコして座ったまま応対した。

 

(まだ勘違いしてていいのよ)

 

相手はひとしきり話し満足して戻っていった。

その後ろ姿を見送ったあと、随分私に都合のいい夢だと苦笑してしまった。

 

死んだと解釈していたのはただ私の恥ずかしい勘違いで、本当は生きていてそのことを説明しにきてくれるなんて、優しい幻にすぎない。あるいは死者は成仏しておらず…

夢の中でさえ幻想に浸れないので本式に起きる。

 

起きたら、「海に行きたい。自然が呼んでるや」と違う人からLINEがきていた(こっちは現実だ)。

この間私が「海に行って貝を拾いたい」と話していたら色々と屁理屈を言って願望を抑圧していた人間が、強毒でなんだか変わってしまい、願望を推進する方向になった。

 

今年の分の貝殻を拾わなければ…死者の分まで…と考えたところで少しゾッとした。

最初に死者と私を結びつけたのも貝だった。

 

私は胸いっぱいに死者の夢をいだきながら、行く宛のない心のエネルギーを使うため生きた人間に毒をまいている。

それでも、貝を拾いにいくだろう。

 

私のクローゼットには宝物入れがしまってあってそこにはかつて死者が私のために拾って選んでくれた貝殻が入っている。

 

 

晴れた日のバルコニーで桃の枝を干していると、同居人に何に使うものなのか聞かれた。

「magical item!」

魔法の棒はもうすぐ完成する。

 

ウソみたいな話だけど等価交換って本当にあって、薬膳カレーを同居人にあげたらその人がカレーを持って行ったあとにはどこからともなくカッターが現れたよ。

きっとこれで魔除けを作れっていうのも勘違いなのだろうけどそこにあったから使ってしまうね。