焦げた後に湿った生活

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12年前にボーイフレンドから前後不覚になるくらいの恋をしてみろと言われた件

「全てのことにありがとうだよ。」
「その境地にはまだ至れそうにない。」
「こうやって話が出来るのも、そいつのおかげって見方をするんだ。」
「不幸を笑い話として話すのはよくやる。でも、時間が経ってからの話だけど。」
「そう、その調子だ。俺だって三ヶ月に一回は元カノから理不尽な電話がかかってくる」
「どんなの?」
「最初はふつうの世間話。それからやたらに怒鳴られて死ねとか言われて、いきなり電話切られる」
キチガイじみてる、と笑っていると、
「ほら笑えるだろ?俺だって最初はすげーイライラしたけどさ」
「でも理性がジャマしてそこまで感情的につっぱしれる自信がない。羨ましい。私もそういうのやってみたいけど、やったことない」
「今まで怒って怒鳴ったりしたことないの?」
「そう。怒っても理詰めで責めるし。物にあたっても家の壁や床壊さないようにどっかで考えてる」
「好きになりすぎて判断能力失うとかは?」
「それはあったかもしれない。でもその人の彼女と仲良くて結局身を引いたことからして、そこまで理性ふっとんでたってわけでもないみたい」
「じゃあ今年は今までと反対のことをしてみよう。」
「具体的にはどうするの?」
「前後不覚になるくらいの恋をしてみるべき。」

 

この後僕はあまりにも鬼電してこないから俺への好意が感じられないという世界一意味の分からない理由でフラれた。

34才になってから、あれなんだったの?って聞いたら「ごめんごめん覚えてない、何かで怒ったのは覚えてんだけど内容がね…」と言われたが、

その後「出会った頃から可愛くてキチガイで今も全く変わらず可愛いよ」のひとことですべてふっとんだ。

どこらへんがおかしかったのか質問したら、「常人ならまず選択しない選択肢を平気で選ぶところ」って評された。それ今は自覚あるけど18才の時からやってたのか…

 

「でも私としちゃー合理を追求したらそうなっただけなんやけど」

「そこがぶっとんだ発想って言われるんだろ。いいとかわるいとかではなく…」

ずっと自分のどこが頭おかしい扱いされるのかわからなかったから、久しぶりに会話してみてよかった。

 

ただし前後不覚になるほどの事態は別のことで起こって、僕はきっと泣きの電話を入れて、「ああよしよしかわいそうに」ってちょっと慰められて、遠くから見守られるだけのフェーズに入る。

そう、そこのお前だ。会話の内容に覚えがあるだろ。明日電話するからな✌