ベーカリーショップ「アンデルセン」で起こった民族差別について告発します

通名」*を使用していると、相手がこっちを日本人だと思いこんで、おおっぴらに差別言動をすることがよくある。

聞かされる方としてはたまったもんじゃない。

勤務していた有名パン屋アンデルセンでもそのようなことがあった。

堂々と私の前で中国人のバイト希望は断れ! などと会社ぐるみで差別をやらかしており、さらには韓国人への差別もあった。

 

その時あった民族差別の記憶は、未だに定期的に思い出して眠れなくなる。

私の体験した差別の中で最も嫌なことのひとつだ。

 

私は京都伊勢丹にある、アンデルセン京都店で学生の頃バイトしていた。

アンデルセンでバイトを始めたのは学部時代の後半からだった。院生の半ばまで続けていたのでわりかし長く勤めていた方であろう。

そのアンデルセン京都店では、中国人差別が行われていた。

 

うちの店である日、新しいバイトを何人か採用することになった。

これは忙しいバイト先を経験したことがある人なら想像がつくと思うが、電話応対に関するスタンスは「とりあえず電話はとれるやつがとる。答えられない内容なら、折り返し連絡しますと先方に伝えて切り話をメモって店長か社員に回す」という感じだった。

社員も店長もベテランバイトも忙しすぎて毎度電話とれるわけじゃないからね!

夕方になるとレジ四つもあるのに長蛇の列が出来るんだぜ!

 

というわけで、レジ打ち兼ピックアップ商品の営業とバックヤードの業務メインだった私は電話に近かったため、必然的にバイト希望者の電話応対をすることが多くなった。

採用を始めてからすぐ、バイト希望者の女性から電話が来た。私は彼女の電話番号と名前、勤務希望曜日等をメモし、「社員から折り返し連絡いたします」と言って切った。

「さっそく希望者が来ましたよ」と言って社員にメモを渡した。

 

社員は、彼女に連絡し、面接希望日を聞いた。

 

また今度、別の女性から電話が来た。同様に対応し社員にメモを渡した。

 

だが、社員は彼女たちの面接を断っていた。その次に目にした光景は信じがたいものだった。

 

「中国人から電話が来たら、もう人がいっぱいになりましたと言って断って」と社員から言われ、バックヤードの電話のところに、中国人は断ることと「注意書き」が貼られていた。

 

想像力のなさに失望した。もし中国人の恋人や友達がいる従業員がいたとして、これを見たらどう思うのかとか一切考えてない。ほんとうにクズだ。

(というか中国人の知り合いがいるかいないかの問題ではないのだが、あえて愚民の想像力に合わせて論点を卑近にいたします)

 

アンデルセン京都店では、終業後店員が皆集まってミーティングをする時間がある。その場で私はこの件について質問した。

 

その前に、ミーティングに出てくる登場人物を軽く説明しておこう。

・社員1

・社員2

・社員3

・ベテランバイト

・大学生バイト

・その他バイト。会話に登場しないため割愛

店長は確か当日不在だった。

 

私「あのバックヤードに貼っている"中国人お断り"の紙はなんですか? 失礼すぎますよ。国籍を理由に採用を断るなんて差別でしょう。」

社員1 「中国人のバイト志望があっても断れ、という決まりですので…」

あなた面接希望日聞いてましたよね? あの時点ではokであったのに、後から断ってそれが決まりだのなんだの、言い訳がましいっての。

 

社員2「うちはデパートに入っているお店ですので、丁寧な言葉遣いが出来る、日本語能力が高い方でないと採用できなくて…」

私「それを見るのが面接ですよね? 電話をかけてきた方は、両方ともとても日本語お上手でしたよ。あなた方は、中国人は中国語しか喋れないと思ってるんですか? 日本には日本人しかいないと思ってるんですか? 日本で生まれた中国人で、日本語ネイティヴの人だっているんです。面接以前に国籍で切るのはおかしいです。」

 

私「留学生とか短期滞在の人がダメってことですか?」

社員1,2「うーん」

私「ずっと日本にいて日本語が上手で、永住権持ってたら何の問題もないでしょう。」

社員1「今まで中国人を雇ったことがなくて。」

アホらしい。じゃあなおさら面接で見極めればいいではないか。てかアンタの目の前に私という外国人がいるのにな。その外国人は面接を難なく突破し、商品の営業力は社員にアドバイスを求められるほど上手くて、何一つ接客上語学力で困ったことはないんだがな。

 

私「だいたいどうやって中国人って判断するんですか。」

社員1「何人ですかと聞くのは失礼だけど、日本語が変だったりしたら分かるでしょ」

失笑である。国籍を尋ねるのは失礼だと認識しているくせに、差別していることは分からないらしい。

 

ここで大学生バイトが、親切心から、ある一言を発するのだが、それは全く火に油を注ぐ一言であった。

 

大学生バイト「李さんとか、お名前で分かりますよね。」

彼女は困った笑いをしていた。なんとかこの場をおさめたいというか、私が怒っているのをおさめてあげたい、という善意である。

ただその一言は、こいつも差別に加担すんのかよ、そんで無自覚なんかい、という諦念混じりの怒りゲージを上げただけだった。

私「……李なんて名字、中国人だけじゃなく韓国人にもいるじゃん」

 

ベテランバイト「韓国人も、ダメでしょ!!

 

ここで私の「無理」ゲージが限界を迎えた。

迎えたが私は十分理性的だった。

ことわっておくが、こういう状況になったときあなたがたにキレるなと言いたいわけではない。

私は単に、「こいつら差別者どもにひとつも私の過失をあらさがしさせてやるもんか」という確固たる信念によって理性的なままでいることを選択しただけだ。

 

私「ああそうですか。じゃあわたくし韓国人ですのでこの職場から即刻離れます。どうぞ明日から私のシフトは皆さん頑張って埋めてください。なんせ韓国人もダメとのことですので、近づきたくありません。…社員1,2,3さん、あなたがた本当に、中国人差別を辞めるつもりはないんですか。差別を続けるのであれば、このことはしかるべき場所で報告いたします。」

社員1,2,3「…」

 

私は制服のエプロンを投げ捨てて帰った。

シャツとズボンも捨ててしまいたかったがそれをやると更衣室までハイパー露出狂の変態として歩くハメになるのでやめた。

 

しばらくして社員たちから電話がかかってきた。

私は無視した。

メールで「やりとりしたいのであればメールで。電話には出ません」と送った。

当然記録を残すためだ。今も実家のドレッサーに放り込んでいる前のデバイスに電源を入れたら、忌々しいメールを閲覧できるだろう。

 

社員3のメールが一番滑稽だった。

僕には中国人の友達がいるから、中国人差別はしていない。と書いていた。

私の返信「レイシストの常套句ですね。どうして中国人の知人がいたら差別しないことになるというロジックが成り立つんですか? 論理破綻しています。むしろ、お友達がいるのにこの件を問題だと思えない神経が怖いですよ。ふつうはお友達のことを考えて、これはちょっとおかしいとか思うんじゃあないんですかね」

 

社員1,2からは、戻ってきてほしいと言われた。まあ謝罪もされた。

彼らから聞いたことは以下の通りである。

アンデルセン京都店が、独断で決めたことではない

・上の方から、やれと言われて従うしかなかった

・あの注意書きの貼り紙は外す

・永住権あって日本語が出来る人もいるのだから、中国人だからとひとくくりにして面接もせずにウソ言って断るのは止める

 

私は私が出来ることをした。電話をくれた彼女たちには申し訳ないが私はあなたたちの名誉が棄損されたことに対しておそらく最大限のagainstをアンデルセンにぶつけて立ち向かった。

で、ここに重要なことを記しておく。

 

アンデルセンの中国人差別は、会社全体で、強制力をもって行われたものだった。

一店舗だけじゃなくて、会社全体の方針で中国人を面接もさせず足切りしていた。 能力に関係なく。

 

季節が巡った。店長は変わって社員も3しか残っていなかった。

バイトも減ったのであらためてバイトを採るようになった。

またバックヤードにあの「中国人は断ること」の紙が貼られていた。

 

アンデルセン京都店の社員は、会社から「指導」される差別に対して是正を求めなかった。

自分たち社員さえ安全ならいいのだ。

 

この事件より後に聞いたものだが、松山孝法 (@dazaist69) / Twitter が、「お前らみたいなんがな、アウシュビッツガス室のボタンを押すんや」というフレーズを時々使っていた。

自分でモノを考えない愚民に対しての言い回しである。

 

私も言いたい。

アンデルセングループは、アウシュビッツガス室のボタンを押すやつばっかりだ!

「上から言われた」それだけで、自分で正しいかどうか考えず、誰かの尊厳を著しく損なう差別行為を平気で行うやつらばっかりだ!

 

8/6広島の例のあの日に、この会社が反戦・平和アピールしてるのも鼻白む。

内部でこんなえぐい民族差別やってて何が平和だよ。

 

私は未来永劫アンデルセングループ*2およびタカキベーカリー*3の品物は買いません。

民族差別に反対する皆さまも、どうか賛同をお願いいたします。

(誤字指摘あったのでタカギ→タカキになおした 7/5)

 

10年経っても眠れない時があるほど、アンデルセンで行われた差別は忌まわしいものだ。ガス室のボタンを押すような輩のパンを、買ってはいけない

 

【この場を借りて】

友人のDJ Vvotaroに感謝。あの日差別まみれになって帰ってきた私に「何か俺にできることある?」と言ってくれてとても救われた。

 

【追記】

客観的な証拠写真とかあったらもっと全力でシェアしやすいんだけど、というコメントがあった。その通りである。だが文中にあるように当時のメールは実家で放置しているデバイスに保存しているのである。そのため現在公開することは出来ない。

実家に帰るタイミングが来て、デバイスが見つかったらメール漁ってみます。(2011年頃ってもうみんなiphone使ってたっけ?)

それから、職務経歴書確認したらアンデルセン京都店で働いてたのは2010年3月~2013年10月だった。

 

なんで今書いたかって冒頭に書いたように10年経ってもムカついてて昨日も眠りを阻害されてるからだ。私がムカついてるから書いてる、それ以上の理由は要らない。

 

【To クソコメ】

>>"写真や録音などの証拠が一切ない謎のブログ"

だから文中に"実家のドレッサーに放り込んでいる前のデバイスに電源を入れたら、忌々しいメールを閲覧できるだろう"と書いているじゃろうが! 今実家じゃねんだわ

 

*私はこの表現が嫌いである。「日本名」でいいではないか。韓国人であるなら韓国名を名乗るべき、という輩が一定数いてうざったい。どっちも私の家族が心を込めてつけた名前なのに優劣あるわけないだろう

 

*2

https://www.andersen-group.jp/

 

*3

株式会社タカキベーカリー - アンデルセングループ