焦げた後に湿った生活

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闘病記50

【今日の病状】

午前、全部睡眠で潰した。

朝イチの会議に出た後の記憶がない。

起きたら12時だった。昨晩は2時に寝たので結果的に10時間睡眠だ。

 

こんなに睡魔に浸って泥のように眠り込んだのは久しぶりのことだ。

眠りを深くして悪夢を避ける目的で処方された薬がドカンと効いたらしい。

 

秋茄子ばかり食っていたらニキビが出来たのとちょっと前に発生した蕁麻疹が完治していないため、ベビーリーフ等のビタミンを有する食材をよく食べるようにしているが、それでも足りないと感じたのでいちごを買ってきた。

 

どういう原理か知らないがいちごを歯に当ててすりつぶすように磨くとホワイトニングになる。ビタミンCが美白の成分として使われていることと似ているのかもしれない。

私は喫煙者で珈琲も常飲しているので、半年に一回くらいは歯医者で表面の汚れ含め歯や歯肉のそうじをしてもらっているが、たまたま今月行くつもりだったのが忙しくて行けなくなった。

それで、いちごを買って食べるついでに磨いている。

 

八百屋では取り扱う季節を過ぎていて大型スーパーのつまらない品物しか買えなかった。まあ、メインの目的がビタミンの摂取と歯を白くすることだから構わないけど…

 

定期的に歯が抜け落ちる夢を見る。きっと近日中にも見るだろう。

 

【鬆】

最近はマツキヨのボディクリームで全身の肌の手入れをしている。

マツキヨのオリジナル製品、殆どハズレがない。

500円くらいのボディクリームを買ったら匂いも悪くないしテクスチャーと保湿力もそこそこ良いので夏から風呂上りのクリーム塗り、日中の手の保湿を一本で済ませている。

 

クリームを脚に塗っていると、引き締まって、身もしっかりしていて、鬆の入ってない椎茸みたいだわと思う。

煮ても焼いてもさっと炙っても美味いってか。

 

椎茸と違って冷凍保存できないけど。

 

この、鬆の入ってない見事な脚を持った肉体に、死がコッソリ近づいてきてるなんてウソみたいだ。

 

ウソっていえば、誰かが「健全な魂は健全な肉体に宿る」と言って、その言説は瞬く間に広がった。

かなりウソに近いというかほぼウソの、大盛りに盛ったフレーズである。

論理的でもないし道徳的でもない、使ってみたくなるキャッチーさだけで信じられている、この言葉は。

 

【声質】

ウソみたいな話をする。

私の声は16才の時にいきなり変わった。

声楽の授業の課題が「The Phantom of the Opera」だった時。

私はソプラノのパートを選択していた。

 

秋にあるテストまで、夏休みを利用してオーストラリアに二週間ホームステイして帰ってきたら、カラオケで今まで歌えていた曲が歌えなくなっていた。

あわてて、リモコンを持っていた友達に音の調整をしてもらったら、それまで裏声で自然な状態で歌えていた曲は+2上げて地声で歌うのが正、になっていた。

つまり高いキーが出なくなった。

 

殆ど諦めの境地で、今まで低すぎて歌えなかった曲、確か忌野清志郎の曲、を入れたら、すっと歌えてしまった。

あの時から私は、メインでボーカルをする時、作曲する時(何も考えずに曲を作ると自分に合った音域で作ってしまっている)、生まれ持った声ってなんだったんだっけ?という胡蝶の夢のような気持ちのままでいる。

 

病院にも行ったが何一つ異常は見つからない。

ただただ運気のような、自分に内包された変動する可能性のあるエッセンシャルなものが、なんらかの理由で(あるいは何の意味もなく)変わった、ということだけ分かった。

 

大人になってからかえって「可愛らしい声」と言われることが増えたが、その声はね、「なくなった」ものにとってかわったものなんだよ、と時々誰にともなく叫びたくなる。

 

声楽のテストはとても良い点数で終わった。

ソプラノパートから、ファントム役に変えたからだ。