焦げた後に湿った生活

このブログは投げ銭制です。投げ銭先⇒「このブログについて」

闘病記76(harm and destroy)

【注意】

この記事には性的暴力のことが書かれており、フラッシュバックを起こす可能性があります。

 

【新着闘病記】

久々に診断結果をのせる。

 

体重は43.6kgだった。身長163.6mなので一般的な指標からみると大幅に痩せているのだがここの病院は私が大飯ぐらいの痩せ型なのを知ってるので何も言わない。

 

耳は一時的に能力の一部を失ったようだが(自覚ない。1人の時話しかけても反応ないって陰で言われてた)医者曰く「心因性のものなので、悪い環境から離れられたことだし、今ちゃんとお話しできているし大丈夫ですよ」とのことだった。

 

血液検査は看護師が「正常な血液の色です」とコメントしていたが私は絶頂期の自分の血液が美しいワインレッドだったのを知っているので(まだ正常じゃないんだな。もしくは、もう正常にはなれなくなったということか)と思っていた。

 

ああまた「この病院の看護師さんはみなさん注射がとっても上手です」と言い忘れた!

 

【harm and destroy】

10年記憶を失っていた。

失っていた記憶はあることでひょっこり思い出されてしまった。

思い出さない方がよかったのか今更だけど思い出してよかったのか私には判別がつかない。

 

私は育ての親に値する師匠に、性的同意なしの性的行為をされた。

私の同期や一個下の学年が皆卒業して散り散りになった頃だった。

 

18才から24才まで私と師匠の間に性的行為は何もない。

師匠は私にこの世界で生きるためにおおよそ必要なことを授けてくれた。

家庭環境がお世辞にもよくなくて生活費を自分で稼がないと大学生活を送れない子は、とてもじゃないが好きなものにお金を消費する余裕がない。

師匠は私に沢山の音源と自分が読み込んで勉強した冊子と一般教養をくれて、京都市内の色々な場所へ連れて行って文化を与えた。

 

私たちは一緒にご飯を食べて一緒に映画やDVDを観て大笑いして一緒の布団で眠った。

一番最後のやつは人からしたら狂ってるんだけど、早々に家族というバックボーンを無くした子どもにとっては兄か父が出来た感じで、とても楽しかった。

夜中にマイナーなアーティストのピーキーなDVDを観て笑いながら眠りにつくのは、最初からなかったか失くした幼い頃の無邪気なあたたかみがもたらされたようだった。とても楽しかった。

 

とても楽しかった。

だから悲しかった。

 

どうしてあのまま置いといてくれなかったんだろう?

そうしたら私はいつか結婚式を挙げる時にあの人に手紙を読む役を渡して良い父娘のままでいられたのに。

 

彼はちょっとした口説きや雰囲気を作ることをせず寝ている私を叩き起こして凶行に及んだ。

私は泣きながら呼吸のできない苦しみが早く終わったらいいのにと思いながら、「この男を今ここで殺しておけばこれ以上被害者は出ない」と「でも私は沢山のものをこの人から貰ってるのに何も返せていない」と思考が分裂状態に在った。

 

私は結局、殺さずに、誰にも言わずに記憶をなくしてしまった。脳は辻褄合わせに「どうやったらこの人を喜ばせることが出来るんだろう? これをしてたら喜んでくれるのかな?」というミッションを残した。

 

時が経ち2023年、彼の周りの女性が皆やり捨て等でメンタルを病んでいくので、師匠の友人たちの一部が「そろそろあいつを更生させなければいけない」と考え、そのうちの1人が私にコンタクトした。

そして私は10年ほど失っていた記憶を思い出してしまった。

それからは、良い記憶と最悪の記憶が交互に浮かんできて情緒不安定になった。

まるで、奴隷商人痴皇の思い出に苛まされる骸だった。骸との違いは、私には飛影がいないことだ。

 

思い出すトリガーを引いてしまった人は私に謝り、

・自分を被害者扱いしていいこと

・自分さえ黙っていればなんとかなると思わないこと、変にきをつかって「言ったら皆の関係性が壊れてしまう」とか思うな

・周りの人に頼ること

・(もう)逃げていいこと

を告げた。

「君は典型的なDV被害を受けた子どもと同じ反応をしているんだ」とも言った。

私は初めて人に話すことにした…師匠のバンドメンバーや友達に。

 

また、朝の4:30くらいに師匠関連の悪夢で目が覚めてしまうようになった。

それは最初の行為の再生だったり、或いは皆が集まっている飲み会で「私、実は◯◯さんと結婚しようと思っている」と報告したら、師匠が黙り込んでしまい機嫌を損ねたことは分かるが何で怒られているのかはわからなくて恐怖で凍りつくという、対面で「プロポーズされたので結婚しようかと考えてる」と報告して沈黙された地獄の時間を反映した夢だったり。

後は「お前の押しが足りないんだ」とぶっきらぼうに言われて訳がわからないが怒られたことは理解できる、みたいな。

 

私は壊れた。いやずっと前から、あの行為の時から壊れている。

 

今年の誕生日に師匠からもらったプレゼントのポーチを持ちながら、ポロポロ泣いた。