焦げた後に湿った生活

このブログは投げ銭制です。投げ銭先⇒「このブログについて」

スタンドアローン・クロニクル

20210214ふりだしに戻ってる気がする。

 

おにいさんちで「お茶会」する。

「お茶会」は二人で時々する遊びだ。

おにいさんとか昆布さんとかと接するうちに「野生動物を観察するみたいにちょっとずつ交流の仕方を身につけていく」方法を覚えた。

0距離人間の私にとって慎重なやり方、まず、何回か持って行った手土産の中でおにいさんが無言のうちに即座に選んだものを覚えておく。

最初に気づいたのはクレープの時だった。明らかに手が早いのである。そのあともパン等色々持って行ったがパンの時も菓子パンを真っ先に食べていた気がする。何回目かにこの人甘いもん好きやな?と確信し(おにいさんは美味い不味いについては雄弁に語るが食の好みについてはその限りにあらず)、爾後手土産はスイーツと決めている。

前回呪われた土地に行った時「元気がないなら東京で1番美味いケーキ屋でケーキを買ってお茶会しにいくわ」と宣言しておりケーキも好きなおにいさんは「コーヒーくらいしか出せないけどありがとうね」ともちろん承諾した。くらいしか、というけどおにいさんの淹れるコーヒーは私の淹れたやつに負けず劣らず美味い。

 

天気がよく散歩がてらケーキを買いに行った。

ここのマカロンケーキを食した時には軽く衝撃が走ったものだ。

直感的に3つを選び、人のすみかに戻る。

「ショコラバナーヌと、フロマージュと、マロンのなんかだよ」

ショコラバナーヌとフロマージュは元々好きだがマロンは大して好みではないのにこれは絶対美味いぞという自信をもって選んだ。

一口食べると…やはりマカロンの時と同じ感動。

 

むしゃりとケーキを食べ終わると、それぞれ好き勝手にゲームし始める。私は今日ポケモンの大会に出るのだ。

ゲームしながら話す、「あのね、昨日地震あったらしいけど」

「あったらしいって…だいぶ揺れたよ」

「下北沢で飲んでて気づかなかったんだよ。下北沢ってデカめのオーディオと喫煙所やん。…駅前で酔っ払いが"日本沈没"って叫んでてさ、そうだねって思ったけど、仮に日本が沈没してもうちらは勝手に寿命終えられなくて死ぬまで頑張って生きなきゃいけないの理不尽〜卍」

「飲んでて気づかないとかある?」

「あるんだなそれが。…ここ2年くらい夢の世界線が固定されてて、文明が滅んでも私ギャーギャー言わず何もせんの。別のパターンだと、宇宙人が地球にきても。超能力者の集団に属してるけど、みんな"えーまだ何もしなくていーじゃーん"とかいってゲームしてて、私もそれにひっぱられてじゃまいっかー?って感じで何もしないで。どんなに環境が変わろうと驚かないし、生活を続けるし、自分のうまくいかない恋愛のことや嫉妬心について、個人的なことで悩んでるだけ」

とんでもなく怠惰なんだと思うよ。私という人間の本質は。

「あぁあなたの命題はそうだろうね。いつだってね。…コロナの状況ってその夢と同じじゃない?明らかに滅びに近づいてるけど、みんなは…ってやつ」

「あーーっスカーフつのドリルで犯罪しちゃったーっ! …そう。だからコロナが始まっても実は何も驚いてなくて。現実が夢に追いついただけなの」

「無限の勝ち筋。宇宙人が来る=今より悪くなるって差別的だよ。俺たちは既に何かに支配されていてその何かが変わるだけで、今よりスマートな統治になるかもしれないのに。というか今が既に最悪」

ウルトラマンの倫理だと、それは地球人が決めること、だよ。てか私も地球なんてどうなってもいいんだよ。夢の中で、地球はどうでもいいから、自分が戦うハメになったら親友に所存を決めてもらうねん。ちょうど3人いるから多数決で決めれるわな。そんでいざ闘うとなったらね、官主導で超能力者が駒になんだけど、どうせ女だから真面目に闘ってもげすに消費されんだよね。だったらその消費にあえて乗っかってやって、その代わり私の野望も叶えてもらうよ取引はギブアンドギブだといって」

「そこであなたの個人的な闘争も同時に始まるわけだ」

 

そう私はいつだって地球に興味がない。

イデオロギー闘争は自分の尊厳に極めて重大なイシューだからやるけど。

宇宙人=侵略者というのは差別的だぜー見知らぬ者は怖いってことだろということでSFをいくつか読ませてもらう。

おにいさんは地球規模の危機が来ないと役に立たない人間だと自己評価しているらしい。

私の人生には役割ありますけどね。逃亡先。

 

「そういえば本を処分するから玄関にあるものから欲しいものがあれば好きなだけ取っていっていいよ」

「また? この間もしてたやない。そりゃ引っ越しのとき無い方がいいけど」

「そうそう身軽にいきたいからね。いつでもみひとつで移動できるように。」

根無草の考えよう、ソレ。この家出て行く気もないのに。RIN全巻があったので迷わずもらう。こうやって荷物は増えていくしこの人が学び終わったものを継承していく。あっ、催眠外した。

 

深夜1時私は風呂を借りてから寝る。

この家、メイク落としさえ持っていれば歯ブラシもオールインワンジェルもあるから何も困らない。

朝方までゲームするからねというおにいさんを置いて私は気軽な格好で眠りにつく。

湿度とか匂いとかなれとかあるんだろうけど、今まで泊まった中でここが1番快適に眠れる。この家がなくなったら私は悲しむだろうな。

 

「凹んでるの?」

これはまだ寝る前にピザ食べてる時の問い。

答えない。

特定の人物に対する自分の大事にされなさ加減を言ったって、しょうがないから。いつかは肉体ごとマコンドのように滅びるからこの虚しさを全て押し流す。私が望んでいるのは世界の終わりではない。ふりだしに戻っている気がするのは優しめのウソで本当は年月と共に少しずつ退路が狭まっていっているのだと思う。

 

眠っていたら「しずかちゃんが出来杉じゃなくてのび太と結婚したのはある道具を使ったときに出来杉にボコられる未来を見たから」という夢をみた。

(今日仕事じゃなかったらあのベッドでずっと眠っていたかった)

 

#日記文学