焦げた後に湿った生活

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闘病記4

くすりをたくさん飲んだら終わり 治る頃にはまた病気。

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【生活】

昨日はカレー作った。バーモントカレーの中辛に生姜とクミンとミックスハーブ混ぜるだけで完成度高くなる。

茄子は絶対入れたかった。あとは適当に調理しやすいカットしめじと鶏むね肉。

作ってる途中で「なすきのこじゃん」「でもってチキンね」「セカイ系のチキン野郎カレーだ!」と連想してちょっとウケた。

 

限界の人間は生活を工夫した方がよくて私は東京きてから飲み物入れるのは全て紙コップにしてるし洗い物は極力出さないしためない。料理はワンプレートで済ませるし幸い腕はそこそこいいから簡素でも味に不満はない。

にんじんとかじゃがいもとか、皮むきが必要な野菜は体力を消耗するので使わない。栄養素が偏ってないかが気になる。

 

それから洗濯ね。四ツ谷の昆布邸に居た時にこまめに洗濯するクセがついた。物干しのピンチの数よりためてはいけない。

理想は服をガンガン捨ててハンガー+ピンチの数より減らし畳まなくて済むようにしたい。

 

カレー食べた後って絶対コーヒーかチャイ飲みたくなるんだよねって妖精みたいな男の子に話して、奇妙な逡巡のあと同意を得たことを思い出した。

 

【今日の病状】

眼のかすみ治らず。眼鏡くもってんのかと思ってアルコールで綺麗にしたけど意味なかった。

 

本格的に副作用がまずいっていうかズイハンショーを併発した。

薬剤の性質からしてしょうがないのかもしれないがマジでキツい。近日中に薬を替えるか副作用を抑えるものを増やすしかない。

 

今日見た悪夢は本当にヤバくて泊まりで様子を見に来ていた「将軍」が途中で起こしにきた。彼が起きてしまうほど私はうなされ、呼吸がおかしくなっていたらしい。

治療始めてからずっとこうだ。今回が一番ひどかったけど。

心折れた。

今日部下に適切に仕事ふれなかったの申し訳ない。明日上司が休みだから自然と私が舵取り全部やるぜうおおおモード入るはずなので許してほしい。

 

かつて薬剤師の知り合いに「〇〇(今飲んでる薬の一つ)って副作用に悪夢があるよ」って聞いた。「知ってる、でも特に問題ない」ってその時は答えた。

一般的には「悪夢」なんだろうけど…一回目発症時は、夢の世界観に満足していた。ドライでハードコアなディストピア。文明は滅びかけてるし食べ物も燃料も何もかも手に入りにくいけど、願えば試練や脅威と引き換えに好きな誰にでも会う可能性を得られる。

インフラががったがたになったのを諦めきってるうえで、露悪的発想や北斗の拳的態度にならず、淡々と後ろ暗い仕事をして食べ物と嗜好品を手に入れて生活していた。

もちろん夢の詳細な内容は毎回違うけど、どの夢もひとつのルールに統一された並行の夢だって分かってたから、アンドゥトロワととなえるように夢の世界を歩いていた。

 

悪夢の性質が変容してしまったから困る。私はあのディストピアに戻りたい。あそこで満足してたのに。

 

【契約】

というわけで参ってるのだが、ある人と取引したので治療を続けるしかない。シンプルに努力だなーと思う。

甘美な報酬と引き換えに延命してる。自分の命をbet、シビれるね~。

 

【仕事】

その状態で仕事してんのすごくない?と言われたけど仕事は全然やっててしんどくない。遊んでるように仕事してんだから。

※デスクワーカーなので眼精疲労や肩こりは慢性であり、ここでいってるのは精神的なタフさを指している

オーサカの人間は家から一歩出たが最後帰るまでたのしいウソをつくんだ。芸の本質だろ?

ネタバラシなんか絶対自分からしない。寿命を終えたら勝手に周りの人間が考察してくれるんだから自分から種明かしする必要ないんだ。演じ切ることに苦労なんか感じない。それが商売。

 

【副作用である夢の内容】

リアルに脅威的なもの。

昨日は犬の散歩中に小中の同級生だったクニバラという男に出会ってしまい、殴りかかられた。嫌だったけど犬に危害を加えられないようにつなを離して逃がした後、抵抗しているうちにその辺に落ちてたごつめの石で殴り返したら、クニバラのこめかみにモロに当たった。

→ここ夢ポイント。私の故郷は一応日本の平均からいうと都会扱いされている街なので、ごつめの石なんて落ちてることはまずない。コンクリートの道路と家しかねえぞ

 

当然クニバラは流血した。警察も数人ドタドタとやってきた。

クニバラは「あいつが、あいつが」と被害を訴えていた。私が「最初に襲いかかってきたのはあっちの方だ」と言おうとしたら警察の男に話を遮られた。

力加減がわからず殺しそうになったことと警察への信頼のなさと殴られそうになったのとで、ストレスがマックスになりうなされたらしい。

 

で、これは全然実際に起こり得ることで…スラムというほどスラムではないがあえて言わせてもらうと我がスラム街では、ネグレクト近親相姦ドメスティックバイオレンス性犯罪いじめと称されるただの暴力、が日常的に起こり小学生が将来の夢に「ヤクザになる」と書くような場所だった。

中学の担任はハッキリと「言ってもわからないやつは犬と同じで叩かれないとわからない」と初日に宣言しており言葉どおりに体罰を行っていた。

 

自分の家も決して幸福な家庭とはいえないけど、クニバラ他数名の同級生の家はうちよりヒサンで、小学校の時宿題でのりづけをするものがあったんだけど、クニバラは「家にのりがないからできなかった」と言って担任の先生に怒られていた。

担任は「お米つぶを使ったらのりづけできるのに言い訳するな、アンタのおばあちゃんなら知ってるはずや」と説教していたが、まず家にのりがないという事態を考慮してやるべきだったと思う。

そして、"おばあちゃん"が真っ先に出てくるということは、クニバラの親は日常的に子どもをほったらかしているということだ。担任はそれもきっと知ってた。

 

まあ絶対同情してやらないけど。

クニバラは何故か私を憎悪していた。存在ごと憎んでいた。

タカナシという男も同様だったけど、タカナシは一回も同じクラスにならなかったので廊下でイヤミを言われるだけで済んだが、小学生が考え付く中では最大限のイヤミをねじこんできた。

 

共通するのは、「いじめ」じゃなかったってこと。

いじめというのは大抵がからかいやルッキズム、民族差別等がトリガーになっているが、最初から存在=憎悪、というパターンはないと思う。

私はクニバラが転校してきた時親切にしていたが、早々に何かを見抜かれて、タカナシに至っては全く交流がなかったのにクニバラと同じく憎悪の対象にされた。未だにトリガーが何かはわからない。

 

親には言わなかった。うちの親は罪の内容より(親にとっての)親密度を重視する人間だとかなり早い段階で気づいており、現実的な手段で暴力から守ってくれないと判断した。

なお高校生の時にそれは正解だったとわかる瞬間があり、カカシというこれまた同級生が進学先の私立高で暴力をふるって退学になったのだが、うちの親は「退学にするなんて」とぷりぷりと怒っていた。

私は内心「人を殴ったら退学になるのは当たり前だしカカシは中学の時点で他校の女子をマワしていただろ」と鼻白んでいた。

 

中学の卒業式の時、学年でクニバラと私を含む三人だけ呼び出されて、韓国名での卒業証書をもらった。(日本名の卒業証書は皆と一緒に受け取っている)

その時、クニバラは私に向かってへんな、弁解のニュアンスを込めた笑顔をつくった。私ははじめてクニバラが同じ在日コリアンだということを認識した。

これから先一生こいつを軽蔑するだろうな、と感じた。この笑顔は、闘うべきものと闘わないで喚き暴れていることへの言い訳なんだ、と直感した。エクスキューズが有声だったとしても軽蔑しただろうな。

卒業後しばらくして、クニバラんちはなんか新しいオトーサンが出来てアパートから一軒家へ移ったらしい。出来れば貧困/暴力の連鎖を断ち切れないままでいてください✌

 

むしろ私の家に遊びにくるのは、女の子を別にすると、私の家よりちょっと裕福な家庭の子だった。マツバ、ウシマといった男子がミニ四駆を持参して来た。仲が良いわけではないのだがたまに彼らはうちに来たがるのだ。

私の部屋は高校生になるまでなかったのでリビングで遊んでいたのだが、テーブルやクッションがあってミニ四駆を走らせるには向いておらず、そもそも広くないし散らかっている。

「なんでうちでミニ四駆やりたいん?別にええけど。マツバ君ちのほうが綺麗やし広いやん」と訊いたら、「こっちの方が落ち着く」と言っていた。

五時以降(絶対六時は過ぎない)になるとマツバの母親がうちまで迎えにきた。「あーだからなんやな」と理解した。歩いて10分かからないのにわざわざ迎えにくるような人の家がどんな教育方針なのかは説明しなくてもわかるでしょう。

 

マツバは中学受験してスラムを脱し、ウシマは私と同じ公立に進んだ。正直マツバが遊びにきても面白くないしたまに八つ当たりされるので好きじゃなかったけど、うちに来なければ彼はおそらく潰れていただろうし、同じレベルの知能なので会話は楽だった。

ウシマは敵でも味方でもないけど、カカシやクニバラがうちの家の飼い犬を殺す、と言ってきた時にそれは冗談でもあかんやろと私より先に激昂してくれており、あの街の中では比較的マトモな倫理観を備えた人間だった。

私が夢で反撃するより先に犬を逃がしたのは、あのスラムには平気で生物を殺す人間が存在していたからだし、生物を殺せる人間はいずれ人間も殺す。

生命停止までは至らずとも「殺す」方法なんていくらでもあるし、現実にある人がクニバラに「殺される」所を目撃した。

 

「どうしたの?どんな悪い夢をみたの?」と将軍に起こしてもらった時、前述の夢の説明をしたら、「そうかそうか、やっぱり闘う人なんだね。」とコメントされた。

いいやそれは違う…だって私は石で殴ってしまったことに明らかな嫌悪があったから…私は現在対面している脅威をスラムの記憶を媒介にして再生しているだけなんだと思う。

ディストピアとちがって、どういうルールの世界だか理解していないから、夢での立ち回りが分かっていないんだ…おそらく現実での立ち回りも。

何回もこのブログで説明しているけど、フィクションとノンフィクション、夢と現実の違いなんてどうだってよくて、起こっている現象に対して自分はどうするか、が滅法大事なことなんだよ。

たとえ副作用や二次障害だったとしても、夢でうまく出来ないならば、それは現実にも反映され決してあかるい分岐にはいかない。

 

【将軍】

そうそう、将軍について説明しておくけど、年上の友達できわめて親切である。

将軍のTwitterhttps://twitter.com/acinoli_iii?s=21&t=N9T1wfuXkBfj6rVVC73yNw

私が変な気を起こして取引を中断しないために、つまり延命中止の選択をしないために、彼に対価を払うことで様子を見に来てもらっている。

 

彼は自身で将軍と名乗りを挙げるに未だ至っていないと判断しているらしく自称将軍未満。

「大統領と名乗ることに一切のためらいがないの?」と驚かれたが、なりたくてなったわけではなくある日大統領の自我が生まれてしまっただけなのでためらいは生じない。

 

そういえば病気になってからあまり大統領の自我が出てきてくれないな。

病気の大統領なんてロクなもんじゃないから出てこないのは自然なことか。

 

<全ての大統領は死ぬ>

なんかチェ・ゲバラが言ってそう。